2010年07月22日
登山 ジャンダルム その5
2日目のルートマップ

■7月18日(2日目 大キレットへ)
02時過ぎに目が覚めるものの、辺りは真っ暗。
しばらくウトウトしていたら外が騒がしい。
どうも隣のテントのアベックがどうも撤収作業を始めたらしい。
まだ早いやろ・・・と思いつつ外の物音を聞いてると更にそのとなりも撤収作業開始。
また出遅れたか
慌てて外に出たらすでに幾つかのテントは無い。
山の朝は早いなー。まだ暗闇やで・・・。
飯の準備をしながらテント撤収作業に入る。
自分も今日は大キレット越え。
大キレットがどんな場所か知らないが、早く出るに越した事はない。
そうこうしてる間にも準備を整えた登山者が自分の横をすり抜けて出発していく。
ぬおー!なんでそんなに準備早いんじゃー・・・
皆さん慣れてるのか知らんけど、撤収作業が早い!
自分より後に準備し始めた人達もどんどん旅立つ。
青メガネ氏もその一人で、準備しだしたなぁーと思ったら、すぐ旅立った。
ううう・・・明日はもっと効率良く撤収作業しないとな・・・と思ったわ。
撤収準備も終わりに近付いた頃、東の空が明るくなってきた。
場所を移動するとすでに小屋泊まりの人達が御来光を見るためにたくさん外に。
槍ヶ岳の奥に上がる御来光。今日は天気が良さそうじゃー

05:00 槍ヶ岳山荘出発。
今日はそのまま昨日のルートで下りると言っていた黄フリース氏とはここでお別れ。
準備中の黄フリース氏に挨拶とお礼だけして出発した。
またどこかでバッタリ会えるのを楽しみにしています。
出発時に撮った笠ヶ岳。頂上付近に朝日が当たってきれい。

今日はこのまま南下して最終的には穂高岳山荘を目指す。
コースタイム的には9時間半といったところ。
とりあえずの目標は南岳山荘。そしてその先にあるのが大キレットだ。
05:13 視界から消えそうになる槍ヶ岳を
槍ヶ岳山荘のテン場にはまだカラフルなテントが見える。

稜線に沿って南に少し歩いたら昨日まで見えなかった風景が。
ここからは見るものすべてが新鮮。色が違って面白い山だなーと
知識が無いので何山なのかさっぱり分からん
(実は自分が登った事もある山も含まれていたのにね
)

西側を見ると笠ヶ岳の奥にも山脈が。さすがにこれは分かる。白山だ。
地元から最も近い高山だが、こんなにハッキリ見えたのは初めて。嬉しい

そしてそして東側にはとんがり山。この日はずっとこの山を見て歩いたな。
なんて山なんだろうなーって思いながらの一日。形の良い、とんがり山だ

05:37 中岳頂上付近で振り返って撮った槍ヶ岳。
飛騨側(西)はさほど無いが、信州側(東)にはまだ雪渓がたっぷり。

そしてこの後、ルートを見失う。
いくら探してもマーキングが無い。
実際にはきっちりマーキングが付いていたんだが、見えてない。
まったく視界に入ってない。
自分の中では今日は南下していかないといけないという潜在意識で行動してるので、南側ばかり捜索する。何度も行ったり来たりして時間を浪費。一旦パスした人にも追いつかれ「マーキングが無いんですよぉ」と言うと、「そうなんですか?でもまぁ、稜線に沿って歩けば良いんですよね?」と東側の稜線を指差して言う。
(・・・あっ!?)
情けないというか何というか・・・。
なんでもそうだけど、思い込みって怖い。
視界には入ってるはずなのに見えなくなる。こうやって遭難するのかな?
まぁ、おかしいなと思った時に引き返してきたのは良い判断だった。
そういう事にしておこう
06:17 その後は順調にマイペースを通し、南岳山頂到着。
まぁここは通過点なのでそのまま下りに入ると人影が見えた。
今日は体調も良く何人もの人をパスしてきたので別に珍しくないが、この人は知ってる。
青メガネ氏だ。ようやく追いついた。この人も早いなー。
06:21 最初の目的地、南岳小屋に到着。青メガネ氏とほぼ同時。
青メガネ氏のこの日の目的地は昨日聞いたので知ってる。穂高岳山荘、自分と一緒だ。
青メガネ氏はここで着替え休憩を取る様子。
自分はここで水の補給をする予定だったのだが、南岳小屋、なんだかひっそりとしていて営業してるのか?って状況。(いや、実際ここに泊まった人に逢ってるから間違いなく営業してたのだけど・・・)そのまま素通りする事にした。
南岳小屋付近から撮った大キレット。いよいよ本日の核心部、大キレットを越える。
うへー、こんなに下りるん?こんだけ下りたらまた登らんとアカンのやで

後ろを振り返ると着替えを終えた青メガネ氏もザックを背負い出してる。
さ、自分も出発しよう!
最初の崖を下っていく。
獅子鼻岩という場所らしいが、ほとんど垂直に近い場所を鎖・ハシゴを使い下る。
そしてまた知ってる人物と遭遇。
Canon一眼を携えた好青年、ま~やんだ。(もちろんまだ名前は知らない)
追いついたらあっさり道を譲ってくれたのでそのまま下降。
ま~やん、槍ヶ岳のテン場を03時半に出発し、御来光の撮影に興じていたらしい。
ハシゴ付近では下から登ってくる登山者に会う。
崖の途中でヤンキー座りで登りを待ちながら、その人に「ここの登りはキツイですねー」と言ったら「いやいやここを下る方がキツイでしょー」と言われた。
(ふ~ん、そうなの?)と思いつつその場をやり過ごしたが、その後逢う人逢う人、下りの方がキツイ、怖い、と言っていた。
この山行で分ったのは、どうも自分は崖を下るのが好きみたい。
逆に苦手なのが足だけで登る坂
崖を下りて振り返って見る獅子鼻岩。
・・・どこをどう見たら獅子鼻なんだろうか・・・

そして長谷川ピークと呼ばれる付近の岩場。飛騨側に落ちたらサヨウナラー
ただ写真で見るほど現場を歩くとそうでもない。

長谷川ピークを抜け、そのまま順調にマイペースで行くと3人組のパーティに追い付いた。
先頭が30代後半の女性、続いて50代半ばの男性、最後に男性と同年代のリーダー的な女性。
こっちのペースと3人パーティーのペースはまったく違うのだが、追い付いた場所が悪かった。
リーダー的な女性が「(すれ違う)場所があれば行って頂きますから、ここはゆっくり行かせてあげてください」と言ってきた。もちろんすれ違う場所もないし、なにより先頭の女性の動きを見て(急かせたらマズイな)と直感的にも感じた。とにかく体の動きが不安定で見てるほうが怖かった。

今、これを書きながら調べると、追い付いた場所はどうも飛騨泣きと呼ばれる大キレット中の難所らしい。リーダー的な女性はそこが飛騨泣きである事を知っていたんだろう。それが「ここはゆっくり」という言葉に表れてる。
飛騨泣きをゆっくり越えた後すれ違わせてもらい、自分はまたマイペースで北穂高山荘を目指す。
大キレットも残りわずか。
北穂高山荘までの最後の崖を登る。
この辺りからは山荘から下りてくる登山者がグッと増え、落石に注意して歩いた。
落石については、このジャンダルム挑戦登山にあたりヘルメットの購入を本気で考えた。
ただいかんせん値段が高い。今後の使用頻度もそう高くないと思うし、テン泊でただでさえ荷物が多いのに更に増やすのか?う~ん、視界も遮られるかもしれんしな・・・と言い訳を考えながら結局買わずにこの登山を迎えてしまった。
現場で実感した個人的な感想を書くと、基本的な事を守れればヘルメットは不要かもしれない。
もちろんあるに越した事はないが、落石って基本的に人間が起こす。
基本というのは、そういう場所に最初から自分の身を置かないこと。
崖では人の下に入らない事。
ハシゴも一緒。
こんな基本的な事だけど、今回の登山ではそれが出来てない人が非常に多く驚いた。
ハシゴでは(あのー、上の人が落ちてきたらあなたも一緒に死にますよ・・・)って思った事が何度かあった。
想像力を働かせる。自分の身は自分で守る。
私も登山用に習ったわけじゃないが、想像すれば当たり前に分ることだと思う。
ただ人が増えてくれば知らない間に上に人がいる事もある。
それを避けるためにも早立ち早着きし、危険箇所で渋滞するリスクを避ける。
こういう人気のあるアルプス登山では基本の重要性を身を持って感じた次第。
08:15 北穂高山荘到着。着いた着いたー!大キレット抜けたー
槍ヶ岳山荘を5時に出て3時間ちょいで着いた。
予定より全然早く着いたし、今後の余裕も出て来た。
こりゃーここで大休憩だな
と調子に乗る。
向かった先は売店だ。もちろん
。生ビールだー
昨日飲めなかった生ビールを800円でいただく。
休憩していた外人さんに「ココデノム ナマビールハ サイコーネ!」と話しかけられ、どう応えて良いか分からんけどとにかく親指上げて満面の笑みで返した
この行動、この時点で完全に調子に乗っていたものと思われる。

いやー、ここの眺めは最高だぁ
大キレット抜けて今日の仕事は終~了~くらいの勢いで自分が歩いて来た稜線越しに見る槍ヶ岳を眺めながらビールをあおる。いやー最高だぁ
ちょっと移動すれば笠ヶ岳もばっちり。

今回の山行で立ち寄った山小屋の中では個人的にここが一番。良い小屋だぁ。
気に入ったついでに山小屋バッチと手ぬぐいまで購入した。
うん、完全に調子に乗っていた。。。
私は靴下まで脱いで完全リラックス状態。
後ろの若いカップルの話が聞こえてくる。
「今日は1人1枚の布団で寝れると良いね」と可愛く話す彼女に「無理だね」と冷たく突き放す彼氏。
(よほど嫌なことあったのかな?ちょっとキレてます?
)
山の経験が余りなさそうな彼女の沈んだ声がとても印象的だった。
やはり昨日は沢山の人でごった返したみたいだ。
今後もテントを担いで登ろう、と心に決めた瞬間だった
30分ほど休んでいると、先ほど飛騨泣きですれ違った3人パーティーが上がって来た。
目が合ったので挨拶すると30代後半の女性が「おつかれー
」とめっちゃテンション高い。大キレット超えの嬉しさが伝わる。良いねぇ。
この時点での休憩者は数人で、3人のテンション上がりまくった声はどこに居ても聞こえる。
リーダー的な女性が「○○ちゃん良かったねー!やっぱり去年は何かが足りなかったって事なのよー!」と話してた。たぶん去年大キレットに挑戦して途中棄権したんだろうな。
あまりに充実感に溢れていたので、大キレットをバックに写真撮りましょうか?と話しかけると、リーダー的な女性が「昨日どこかでお会いしましたよね?」と言う。
・・・知らんなぁ
「そのハンティングの帽子、どっかで見覚えがあるんだけどなぁ・・・」と言われ思い出した。
昨日、飛騨乗越を疲労困憊で登って来た時、「大キレットを抜けられて来たんですか?」と話しかけられた3人組のパーティーだ。
話すとその後は南岳山荘に小屋泊まりして、大キレットに備えたそうな。
大キレットを越える!というのがこの山行の大目標だったんだなぁ。おめ
そしてそのテンションのまま「さぁ下りよう!」って出発していった。
ここからだと・・・北穂の分岐で涸沢の方に下りるのかな?
その3人組を撮ってあげたお礼に撮ってくれた写真。
あの尖がってる槍ヶ岳からこの稜線を歩いて来たんだなぁ

今回、お金が無くて買えなかった物に帽子がある。
これはどっかで1000円程で買った普通の帽子だけど、山では目立つ。
みんな山用のシャカシャカした素材の帽子を格好良く被ってる。
最初はちょっと恥ずかしかったけど、今回この帽子のおかげで何人かの人に覚えていてもらった。
これはこのまま突き通しても面白いかもしれない
そしてまたしばらくすると青メガネ氏とま~やんがほぼ同時に上がって来た。
お疲れ様の意味を込めた会釈をすると、青メガネ氏が自分の斜め前に座った。
「歩くの早いですね」と言われ、「今日は体調が良いですわ。昨日はあなたのペースに付いて行ってバテましたけど
」とそんな会話から始まり10分ほど話した。
そしてこれからの予定を確認。
今日は穂高岳山荘に泊まって、明日前穂高から上高地に下りてバスで新穂高温泉の駐車場に帰るという事だった。
気が付けば09時を過ぎてる・・・約1時間の大休憩だ。
知らない間に北穂高山荘のデッキにも人が溢れていた。人込みは苦手。
青メガネ氏に先に出発する事を告げ、ザックを担いだ。
その青メガネ氏もすぐに出発する体勢だった。
目指すは涸沢岳を越え、その先にある穂高岳山荘。本日の最終目的地だ。
大キレット抜けた今、今日はもう他に何も不安はないと思っていた。
ビール飲んで調子こいた代償がこの直後に訪れる・・・。
その6へ続く
(って長げーなコレ
)
■7月18日(2日目 大キレットへ)
02時過ぎに目が覚めるものの、辺りは真っ暗。
しばらくウトウトしていたら外が騒がしい。
どうも隣のテントのアベックがどうも撤収作業を始めたらしい。
まだ早いやろ・・・と思いつつ外の物音を聞いてると更にそのとなりも撤収作業開始。
また出遅れたか

慌てて外に出たらすでに幾つかのテントは無い。
山の朝は早いなー。まだ暗闇やで・・・。
飯の準備をしながらテント撤収作業に入る。
自分も今日は大キレット越え。
大キレットがどんな場所か知らないが、早く出るに越した事はない。
そうこうしてる間にも準備を整えた登山者が自分の横をすり抜けて出発していく。
ぬおー!なんでそんなに準備早いんじゃー・・・

皆さん慣れてるのか知らんけど、撤収作業が早い!
自分より後に準備し始めた人達もどんどん旅立つ。
青メガネ氏もその一人で、準備しだしたなぁーと思ったら、すぐ旅立った。
ううう・・・明日はもっと効率良く撤収作業しないとな・・・と思ったわ。
撤収準備も終わりに近付いた頃、東の空が明るくなってきた。
場所を移動するとすでに小屋泊まりの人達が御来光を見るためにたくさん外に。
槍ヶ岳の奥に上がる御来光。今日は天気が良さそうじゃー

05:00 槍ヶ岳山荘出発。
今日はそのまま昨日のルートで下りると言っていた黄フリース氏とはここでお別れ。
準備中の黄フリース氏に挨拶とお礼だけして出発した。
またどこかでバッタリ会えるのを楽しみにしています。
出発時に撮った笠ヶ岳。頂上付近に朝日が当たってきれい。
今日はこのまま南下して最終的には穂高岳山荘を目指す。
コースタイム的には9時間半といったところ。
とりあえずの目標は南岳山荘。そしてその先にあるのが大キレットだ。
05:13 視界から消えそうになる槍ヶ岳を

槍ヶ岳山荘のテン場にはまだカラフルなテントが見える。
稜線に沿って南に少し歩いたら昨日まで見えなかった風景が。
ここからは見るものすべてが新鮮。色が違って面白い山だなーと

知識が無いので何山なのかさっぱり分からん

(実は自分が登った事もある山も含まれていたのにね

西側を見ると笠ヶ岳の奥にも山脈が。さすがにこれは分かる。白山だ。
地元から最も近い高山だが、こんなにハッキリ見えたのは初めて。嬉しい

そしてそして東側にはとんがり山。この日はずっとこの山を見て歩いたな。
なんて山なんだろうなーって思いながらの一日。形の良い、とんがり山だ

05:37 中岳頂上付近で振り返って撮った槍ヶ岳。
飛騨側(西)はさほど無いが、信州側(東)にはまだ雪渓がたっぷり。
そしてこの後、ルートを見失う。
いくら探してもマーキングが無い。
実際にはきっちりマーキングが付いていたんだが、見えてない。
まったく視界に入ってない。
自分の中では今日は南下していかないといけないという潜在意識で行動してるので、南側ばかり捜索する。何度も行ったり来たりして時間を浪費。一旦パスした人にも追いつかれ「マーキングが無いんですよぉ」と言うと、「そうなんですか?でもまぁ、稜線に沿って歩けば良いんですよね?」と東側の稜線を指差して言う。
(・・・あっ!?)
情けないというか何というか・・・。
なんでもそうだけど、思い込みって怖い。
視界には入ってるはずなのに見えなくなる。こうやって遭難するのかな?
まぁ、おかしいなと思った時に引き返してきたのは良い判断だった。
そういう事にしておこう

06:17 その後は順調にマイペースを通し、南岳山頂到着。
まぁここは通過点なのでそのまま下りに入ると人影が見えた。
今日は体調も良く何人もの人をパスしてきたので別に珍しくないが、この人は知ってる。
青メガネ氏だ。ようやく追いついた。この人も早いなー。
06:21 最初の目的地、南岳小屋に到着。青メガネ氏とほぼ同時。
青メガネ氏のこの日の目的地は昨日聞いたので知ってる。穂高岳山荘、自分と一緒だ。
青メガネ氏はここで着替え休憩を取る様子。
自分はここで水の補給をする予定だったのだが、南岳小屋、なんだかひっそりとしていて営業してるのか?って状況。(いや、実際ここに泊まった人に逢ってるから間違いなく営業してたのだけど・・・)そのまま素通りする事にした。
南岳小屋付近から撮った大キレット。いよいよ本日の核心部、大キレットを越える。
うへー、こんなに下りるん?こんだけ下りたらまた登らんとアカンのやで

後ろを振り返ると着替えを終えた青メガネ氏もザックを背負い出してる。
さ、自分も出発しよう!
最初の崖を下っていく。
獅子鼻岩という場所らしいが、ほとんど垂直に近い場所を鎖・ハシゴを使い下る。
そしてまた知ってる人物と遭遇。
Canon一眼を携えた好青年、ま~やんだ。(もちろんまだ名前は知らない)
追いついたらあっさり道を譲ってくれたのでそのまま下降。
ま~やん、槍ヶ岳のテン場を03時半に出発し、御来光の撮影に興じていたらしい。
ハシゴ付近では下から登ってくる登山者に会う。
崖の途中でヤンキー座りで登りを待ちながら、その人に「ここの登りはキツイですねー」と言ったら「いやいやここを下る方がキツイでしょー」と言われた。
(ふ~ん、そうなの?)と思いつつその場をやり過ごしたが、その後逢う人逢う人、下りの方がキツイ、怖い、と言っていた。
この山行で分ったのは、どうも自分は崖を下るのが好きみたい。
逆に苦手なのが足だけで登る坂

崖を下りて振り返って見る獅子鼻岩。
・・・どこをどう見たら獅子鼻なんだろうか・・・

そして長谷川ピークと呼ばれる付近の岩場。飛騨側に落ちたらサヨウナラー

ただ写真で見るほど現場を歩くとそうでもない。
長谷川ピークを抜け、そのまま順調にマイペースで行くと3人組のパーティに追い付いた。
先頭が30代後半の女性、続いて50代半ばの男性、最後に男性と同年代のリーダー的な女性。
こっちのペースと3人パーティーのペースはまったく違うのだが、追い付いた場所が悪かった。
リーダー的な女性が「(すれ違う)場所があれば行って頂きますから、ここはゆっくり行かせてあげてください」と言ってきた。もちろんすれ違う場所もないし、なにより先頭の女性の動きを見て(急かせたらマズイな)と直感的にも感じた。とにかく体の動きが不安定で見てるほうが怖かった。
今、これを書きながら調べると、追い付いた場所はどうも飛騨泣きと呼ばれる大キレット中の難所らしい。リーダー的な女性はそこが飛騨泣きである事を知っていたんだろう。それが「ここはゆっくり」という言葉に表れてる。
飛騨泣きをゆっくり越えた後すれ違わせてもらい、自分はまたマイペースで北穂高山荘を目指す。
大キレットも残りわずか。
北穂高山荘までの最後の崖を登る。
この辺りからは山荘から下りてくる登山者がグッと増え、落石に注意して歩いた。
落石については、このジャンダルム挑戦登山にあたりヘルメットの購入を本気で考えた。
ただいかんせん値段が高い。今後の使用頻度もそう高くないと思うし、テン泊でただでさえ荷物が多いのに更に増やすのか?う~ん、視界も遮られるかもしれんしな・・・と言い訳を考えながら結局買わずにこの登山を迎えてしまった。
現場で実感した個人的な感想を書くと、基本的な事を守れればヘルメットは不要かもしれない。
もちろんあるに越した事はないが、落石って基本的に人間が起こす。
基本というのは、そういう場所に最初から自分の身を置かないこと。
崖では人の下に入らない事。
ハシゴも一緒。
こんな基本的な事だけど、今回の登山ではそれが出来てない人が非常に多く驚いた。
ハシゴでは(あのー、上の人が落ちてきたらあなたも一緒に死にますよ・・・)って思った事が何度かあった。
想像力を働かせる。自分の身は自分で守る。
私も登山用に習ったわけじゃないが、想像すれば当たり前に分ることだと思う。
ただ人が増えてくれば知らない間に上に人がいる事もある。
それを避けるためにも早立ち早着きし、危険箇所で渋滞するリスクを避ける。
こういう人気のあるアルプス登山では基本の重要性を身を持って感じた次第。
08:15 北穂高山荘到着。着いた着いたー!大キレット抜けたー

槍ヶ岳山荘を5時に出て3時間ちょいで着いた。
予定より全然早く着いたし、今後の余裕も出て来た。
こりゃーここで大休憩だな

向かった先は売店だ。もちろん


昨日飲めなかった生ビールを800円でいただく。
休憩していた外人さんに「ココデノム ナマビールハ サイコーネ!」と話しかけられ、どう応えて良いか分からんけどとにかく親指上げて満面の笑みで返した

この行動、この時点で完全に調子に乗っていたものと思われる。
いやー、ここの眺めは最高だぁ

大キレット抜けて今日の仕事は終~了~くらいの勢いで自分が歩いて来た稜線越しに見る槍ヶ岳を眺めながらビールをあおる。いやー最高だぁ

ちょっと移動すれば笠ヶ岳もばっちり。
今回の山行で立ち寄った山小屋の中では個人的にここが一番。良い小屋だぁ。
気に入ったついでに山小屋バッチと手ぬぐいまで購入した。
うん、完全に調子に乗っていた。。。
私は靴下まで脱いで完全リラックス状態。
後ろの若いカップルの話が聞こえてくる。
「今日は1人1枚の布団で寝れると良いね」と可愛く話す彼女に「無理だね」と冷たく突き放す彼氏。
(よほど嫌なことあったのかな?ちょっとキレてます?

山の経験が余りなさそうな彼女の沈んだ声がとても印象的だった。
やはり昨日は沢山の人でごった返したみたいだ。
今後もテントを担いで登ろう、と心に決めた瞬間だった

30分ほど休んでいると、先ほど飛騨泣きですれ違った3人パーティーが上がって来た。
目が合ったので挨拶すると30代後半の女性が「おつかれー

この時点での休憩者は数人で、3人のテンション上がりまくった声はどこに居ても聞こえる。
リーダー的な女性が「○○ちゃん良かったねー!やっぱり去年は何かが足りなかったって事なのよー!」と話してた。たぶん去年大キレットに挑戦して途中棄権したんだろうな。
あまりに充実感に溢れていたので、大キレットをバックに写真撮りましょうか?と話しかけると、リーダー的な女性が「昨日どこかでお会いしましたよね?」と言う。
・・・知らんなぁ

「そのハンティングの帽子、どっかで見覚えがあるんだけどなぁ・・・」と言われ思い出した。
昨日、飛騨乗越を疲労困憊で登って来た時、「大キレットを抜けられて来たんですか?」と話しかけられた3人組のパーティーだ。
話すとその後は南岳山荘に小屋泊まりして、大キレットに備えたそうな。
大キレットを越える!というのがこの山行の大目標だったんだなぁ。おめ

そしてそのテンションのまま「さぁ下りよう!」って出発していった。
ここからだと・・・北穂の分岐で涸沢の方に下りるのかな?
その3人組を撮ってあげたお礼に撮ってくれた写真。
あの尖がってる槍ヶ岳からこの稜線を歩いて来たんだなぁ

今回、お金が無くて買えなかった物に帽子がある。
これはどっかで1000円程で買った普通の帽子だけど、山では目立つ。
みんな山用のシャカシャカした素材の帽子を格好良く被ってる。
最初はちょっと恥ずかしかったけど、今回この帽子のおかげで何人かの人に覚えていてもらった。
これはこのまま突き通しても面白いかもしれない

そしてまたしばらくすると青メガネ氏とま~やんがほぼ同時に上がって来た。
お疲れ様の意味を込めた会釈をすると、青メガネ氏が自分の斜め前に座った。
「歩くの早いですね」と言われ、「今日は体調が良いですわ。昨日はあなたのペースに付いて行ってバテましたけど

そしてこれからの予定を確認。
今日は穂高岳山荘に泊まって、明日前穂高から上高地に下りてバスで新穂高温泉の駐車場に帰るという事だった。
気が付けば09時を過ぎてる・・・約1時間の大休憩だ。
知らない間に北穂高山荘のデッキにも人が溢れていた。人込みは苦手。
青メガネ氏に先に出発する事を告げ、ザックを担いだ。
その青メガネ氏もすぐに出発する体勢だった。
目指すは涸沢岳を越え、その先にある穂高岳山荘。本日の最終目的地だ。
大キレット抜けた今、今日はもう他に何も不安はないと思っていた。
ビール飲んで調子こいた代償がこの直後に訪れる・・・。
その6へ続く
(って長げーなコレ

2010年07月19日
2010年07月18日
2010年07月17日
2010年07月16日
登山 アルプスを攻める
初めてのアルプスに行きます。
去年から考えていた事で、登山初めて1年以内のこのタイミングで決行。
今じゃないと意味が無いんだ。

今日の夜、あと1時間後には出発し、明日の朝からアタック。
単独です。
へこたれたり、危険を感じたらすぐ撤退予定
とにかく安全に・・・。
去年から考えていた事で、登山初めて1年以内のこのタイミングで決行。
今じゃないと意味が無いんだ。
今日の夜、あと1時間後には出発し、明日の朝からアタック。
単独です。
へこたれたり、危険を感じたらすぐ撤退予定

とにかく安全に・・・。